羊枕のストーリー

自然素材と伝統技術を繋ぐ

坂上泰三(新潟センチュリー㈱取締役会長)

坂上泰三(新潟センチュリー㈱取締役会長)

創業40年。自然素材を使った建材開発・販売を長きに渡り手掛ける。
素晴らしい自然素材と地元の伝統技術、更には地元職人の存続を常に考え商品開発を行う。
そのコンセプトのもとに仕事人生の最後を賭けたのが、「羊まくら素肌呼吸」である。

【枕地】~羊毛とトウモロコシを使った自然素材の断熱材(ニュージーランド)~

【枕地】~羊毛とトウモロコシを使った自然素材の断熱材(ニュージーランド)~

呼吸をする自然素材断熱材ということで、高額ではあったがエンドユーザー・地元工務店に指示され、全盛期には県内において年間約100棟の納入実績があった。
ところが住宅のローコスト化により近年の受注は激減。この素晴らしい100%自然素材を、どうしても違う形で、世に送り出す必要があった。

【枕地カバー】~五泉ニット~

【枕地カバー】~五泉ニット~

新潟県の中央に位置し、昔から良質な水資源に恵まれた五泉市は「全国三大白生地産地」のひとつ。
戦前から絹織物産業で栄え、その後婦人ニットの生産では日本一に。長年培われてきた編立技術や縫製技術は世界屈指とも言える。
近年安価な海外製品が主流になり、生産も減少。この局面を打破すべく地域全体としてチャレンジを続けている。

【枕カバーA】~五泉シルク~

【枕カバー:A】~五泉シルク~

絹織物三大産地「新潟五泉」の「羽二重」を豪華に使用し薄手でなめらか・贅沢な光沢を味わえる。髪やお肌を優しく包み込み、快適な睡眠へ誘う。
シルク黄みの防止加工も施し、両端にはブルーステッチを2本入れ、羽二重の縦糸2本・横糸1本の平織技術をさりげなくイメージしている。

【枕カバーB】~亀田縞~

【枕カバーA】~亀田縞~

新潟県の田園地帯「亀田郷」。そこは芦沼と呼ばれ、水と泥で腰までつかるほどの農地で稲作を営んできた歴史がある。
水と泥に強い綿織物を求め農民が自作で始めたのが「亀田縞」だ。
300年以上の歴史をもつ亀田縞は大正末期には600以上の織物業者が存在したが、現在はわずかに2軒。
綺麗な縞模様と強い生地が特長。平成26年には商標登録も取得し、復活への第一歩を踏み出す。

【枕カバーC】~片貝木綿~

【枕カバーB】~片貝木綿~

日本海に近いこの地は、古くは幕府の直轄領だったこともあり、様々な産業が栄えていた。その中でも300年以上の歴史があるのが片貝木綿である。
綿素材をそのまま生かすことを継ぎ、絶えず技術を変革し続ける中でさらっとした質感ものを作り上げるまでに至った。

【製作】~ロムニー工房~

【製作】~ロムニー工房~

職人歴50年の建具職人皆川富夫が製作。
近年、建具の既製品大量生産化、和室の減少により仕事が激減。
工場名を皆川建具製作所からロムニー工房に変え、この羊枕の製作に最後の人生を賭ける。建具製作のきめ細やかな技術が羊枕製作にも生かされている。